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【コラム1】 真摯な結婚を守りたい。 ‘しあわせライフ’
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皆様、こんにちは。
行政書士AIR総合行政法務事務所、村瀬仁彦です。
今回は、コラム形式でお送りしています。
当事務所では、外国人ビザの取得や更新、永住・帰化申請をお手伝いしています。
外国で生まれ、留学や結婚を機に日本に来て、就職したり、国籍を取得したり。
1人1人が、実に様々な経歴を持っていらっしゃいます。
私が、この仕事を通じて、危惧していること。それは、
「外国人の中には、在留資格に翻弄され、在留資格に縛られた人生を送ってしまっている」
という方がいらっしゃるということです。
日本で活動するには、法律に基づき「在留資格」を取得しなければなりません。
そして、その在留資格は、日本での活動内容に応じてカテゴリーが定められています。
つまり、一言で「在留資格」といっても「通訳・翻訳」なのか「日本人の配偶者」なのかで、
種類の異なる在留資格を得る必要があります。
たとえば、真摯な結婚に基づいて日本にやってきて、幸せな生活を送るために在留資格を得ます。
このとき、「日本人の配偶者等」という、結婚に基づく在留資格を得るのですが、
この在留資格には活動に制限がないため、自由度が高く、日本人と限りなく近い活動ができます。
そのため、一部の外国人は、何とかこの「日本人の配偶者等」という在留資格を得ようと
日本人の夫(妻)を確保するためだけの、カタチだけの結婚をしたりします。
これが、いわゆる偽装結婚の問題です。
私たち・・・少なくとも私の観点からは、わざわざ日本にやってきて、そこで活動したいがために
よく知らない人と結婚するというのは、何とも理解しがたい感覚なのですが
実際にお話を伺うと、「母国での生活があまりにも厳しい(貧困問題)」とか、
「日本で生まれ育ったのに、今さら中国へ帰っても何もできない(国籍問題)」など、
その理由は個人の問題だけにおさまらないことがわかります。
実際、カタチだけの結婚をして、何年も我慢して日本で生活し、「永住者」となれたら即離婚、
なんて珍しいことではないのです。
けれども、どんな理由であれ、法律や倫理に反した行為が許されるわけではありません。
さらには、本当に真摯な国際結婚をしたカップルが、偽装結婚を疑われてしまいビザがおりない
という問題にまで発展してしまうのです。
「婚姻届を出した」、だから、私たちは結婚している。
それなのに、「日本人の配偶者等」が与えられないのはおかしいじゃないか!
という気持ちもわかります。
けれど、法律上、「日本人の配偶者等」を取得するためには、
一定の条件を満たしていなければなりません。
私が申請取次行政書士として受任した件で、「学生結婚」をされたご夫婦がいらっしゃいます。
中国人男性と日本人女性だったのですが、非常に仲が良い。これから社会人になる、そんなお2人。
国境を越えた遠距離恋愛の末、大学卒業と同時に結婚したのです。
まだまだ私よりも若いお2人です。
「これから日本でこんな仕事をしたい、将来はこんな生活をしたい。」
喫茶店でコーヒーを片手に、夢や目標を楽しそうに話してくれました。
それでも、婚姻届を提出しただけでは「日本人の配偶者等」は与えられません。
本当に、「恋愛・結婚」なのか(=真摯な結婚なのか。偽装結婚ではないこと。)
これから日本で2人だけで「生活」していけるのか(=生活基盤があるのか。)
法律に定められた条件を、1つ1つ立証していく必要があります。
そこで、私は、何年も付き合ってきた「真摯な交際」であることを示すため、
電話の通話記録、メールの写し、過去の写真、結婚式の写真などを
出来る限り多く、お2人に用意してもらいました。
また、生活基盤が安定していることを立証するために、
内定証明書や、現在のアルバイト先の源泉徴収票、預貯金通帳のコピーをご用意いただきました。
この先、どうやって生活していくかを示すためです。
本来、若い2人の結婚でおめでたいことなのに、資産状況まで細かくチェックされる。
おめでたいムードに水を差すなぁと。日本人か、外国人かの違いで、
ここまで厳しくみられてしまうものかと感じてしまうのです。
でもそれが、国と国の窓口となる「入国管理局」の役割であり、責任でもあると思うのです。
ゆえに、その手続きを代行する申請取次行政書士は、
入国管理局の仕事の責任や理念についてもきちんと理解する必要があります。
申請取次行政書士は、「行政(入国管理局)」と「国民(夫婦)」の絆にならなければなりません。
でも、同時に、「日本と世界の絆」でもなければならない。
申請取次行政書士が偽装結婚に加担する、なんてもってのほかです。
私は、日本に来る以上は、生活を、人生を楽しんでもらいたいと思います。
何とか在留資格を得て、永住がとれるまで我慢したり、
オーバーステイを続けて、みつからないように何十年も暮らしたり。
そうではなく、きちんと法律に則った手続きを行い、きちんと滞在してほしい。
一時的には、マイナスもあるかもしれない。
けれど、長期的に考えれば、絶対にプラスになる。そんな選択肢もあります。
隠れたり、隠したり、嘘をついたり、そんなことはせず、正々堂々手続きをする。
何人もの外国人の方とお話していると、そんな風に感じることは少なくありません。
「在留資格に縛られてしまう人生」を送るのではなく、
「適正な在留資格を得て、しあわせな人生」を送ってほしい。
申請取次行政書士は、‘しあわせライフ’の実現のために、
最初から最後まで、徹底的にお付き合いするのです。
2012年4月19日